ペリスタルティックポンプ(中型タイプ):E/S™ (Masterflex®)
野外用の採水・揚水ポンプ(バッテリーを内蔵し、サンプリングチューブが現場で容易に交換できる)
テクノインターナショナル株式会社
03-5303-9700(電話番号が変わりました)
高品質、使い易さ、丈夫さを追求した試料採取機器。理想的なサンプリング器材をお届けする
・・・それが使命と私たちは考えます
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バッテリーを内蔵し、持ち運びが比較的容易な野外現場用フィールド採水ポンプです。一人で設置から採取までできます。ペリスタルティックポンプの標準ともいえるMasterflex社の環境用サンプラーです。
揚水部のポンプ形式は、ペリスタルティック式(蠕動{ぜんどう}ポンプ、通称:送液・チューブ)ポンプ)です。従って、真空吸引となります。
ポンプの回転数を変更することにより、揚水(採水)量を設定できます。
揚水から分析用ビン分取までの操作において、散水(水はね)が少なく、採取者が水に触れることが少ないため、現場での採水作業が安全に、かつコンタミ(二次汚染)を抑えて行うことができます。
実験室内での試料分取(ディスペンサー)等にもお使いいただけます。
本機は他のペリスタルティック式採水ポンプにない以下の構造的な特徴を持っています。
この特徴により、同型式の世界的に標準的な採水器として利用されているものです。
- 上の写真にもあるように、ヘッド部のチューブとサンプリングチューブとを連続した同一のチューブを用いてサンプリングすることが可能です。もちろんそれぞれ異なるチューブもご利用いただけます。
- ヘッド(ロータリーポンプユニット)としてセットされているEasy-Load®は、ヘッド内のチューブを現場で非常に簡単に(ハンドル1つ動かすだけで)交換できます。従って、弊社のディスポーザブルタイプの採水器(ベーラーなど)と比較して、現場で迅速に、採水コストが低価格に、かつ廃棄コストも低く、採水作業が可能になります。
- 採水チューブを使い捨てることで、チューブによるコンタミ(二次汚染)を防ぐことができます。
- 水上(船上)での用途を考慮し、蓋を閉じていた場合、水上に30分浮くように設計されています。
井戸孔内水採水の他、廃液処理槽のスラッジ上澄み液(数cmのごく浅い水深)や浄化槽等の狭い箇所での採水に、また水に浮上している比重の軽い液体(LNAPLs)や、同様にDNAPLsの採水にも使えます。
ピエゾメーターの様に細い観測管からの採水も可能です。もちろん河川・湖沼・池・ダム湖などにおいて、ピンポイントでの採水を行いたい場合にも、最適な採水器です。
チューブ材質を適切に選択することで、様々な液体試料(薬品含む)に利用できます。
本機に使用できるサンプリングチューブは、標準でセットされているEasy-Load®ヘッドに利用できるチューブとしては、マスターフレックス社のチューブの場合、6種類の太さ(下記仕様参照)と7種類の材質が使用できます。用意されている材質は、SILICONE, C-FLEX®, TYGON® LAB, TYGON® LFL, PHARMED®, NORPRENE®, VITON® luoroelastomer です。(詳細はヤマト科学(株)送液ポンプ用チューブL/Sシリーズの仕様を参照ください。)
本機に標準としてセットしてあるヘッドは、マスターフレックス社のL/S®タイプであるEasy-Load®です。他にセットできるヘッドとして、L/S®タイプの3種類(standardタイプ, Quick Load®タイプ, PTFE tubingタイプ)があります。本機にヘッドは1台のみセットできます。環境サンプリングには、Easy-Load®タイプが良いとされています。
ペリスタルティックポンプは真空吸引のため、最大揚程が約7m(気圧より異なる)で、またVOC等の揮発成分を含む揚水には不向きです。
稼働電源は3種類(内蔵バッテリー、AC100V、外部バッテリー)利用でき、ACケーブル、外部用12Vバッテリーの接続ケーブルが付属しています。内蔵バッテリーは、この本体で充電可能です。
- 中型ペリスタルティックポンプ仕様:E/S (Masterflex)
- 弊社商品番号:3-PP-0003
- ローラー数:3(Easy-Load®の場合)
- 回転数:70〜400 rpm(正転・逆転同一)
- 使用チューブ:Masterflec L/S用(ヘッドによって異なるがEasy-Load®の場合)
- 揚程:下記表を参照
- 作動電圧:AC100V(50/60Hz), DC12V
- 消費電流:120mA(AC), 2.4A(DC)
- 設置可能ポンプヘッド:1
- トルク荷重:最大0.35 Nm
- 作動温度:摂氏0〜50度
- 保管温度:摂氏マイナス20〜65度
- 湿度:10〜90%(結露なきこと)
- 高度:2,000mまで
- 外装(素材):HDPE、透明陽極酸化アルミ、SS、ポリエステル
- 外装(化学的耐性):標準的な溶剤には耐性がある
- 外装(埃、水):国際規格IP54 per IEC529(埃防護レベル5(埃の侵入から完全に保護されているわけではないが、装置の良好運転を妨げるような埃は侵入しない)、雨防護レベル4(いかなる方向からの水の飛沫を受けても稼働に対する影響がない))
- 外装(汚染度合い:稼働雰囲気中の埃等の汚染度合いによる当機器への影響):Degree 2 per IEC664(埃や水にさらされない環境下で使用する。結露には注意を要する。)
- 外装(設置カテゴリ:当機器耐えるべき過渡的過電圧):Category II per IEC664 (local level-appliances, portable equipment, etc.)、電源コンセントに接続される一般の電気機器
- 電気製品の安全性規格:UL, CSA適合品
- 内蔵バッテリによるおおよその稼働時間:最大充電時約4時間
- バッテリーの残量表示:3段階(Full, 50%, Discharged)
- 付属品:AC電源ケーブル、外部バッテリー用わに口クリップ、外部電源用シガレットケーブル
- 大きさ:40.6 × 28.8 × 26.7cm
- 重さ:7.5kg(バッテリー込み)
- «内蔵バッテリーとは別に弊社取り扱いバッテリーのみを接続した場合のおおよその使用可能時間»冬期の使用も考え余裕をみています
- Lサイズ:12時間(消費電流1割増し、保守率80%として)
- Mサイズ: 7時間(消費電流1割増し、保守率80%として)
- Sサイズ: 2時間(消費電流1割増し、保守率80%として)
価格: 価格は一覧表をご覧下さい 商品番号:3-PP-0003(1台)
上記はサンプリングホースを含まない価格ですが、サンプリングチューブもご用意できますので、ご相談下さい。
この製品のご注文またはお問い合わせは当社まで
当製品にかかる関連情報
- «採水ホースごとの、揚程と揚水量の関係»
この表の測定条件
- ポンプヘッドはEasy-Load®タイプ
- 表中のチューブはマスターフレックス社のL/Sチューブ
- 気圧条件は平均760 mmHg
- 測定流量は、整流で平均的な値
揚程とチューブの太さにおける流量の関係、Easy-Load®タイプ(単位:mL/min@摂氏21度)
揚程 m (feet) |
TUBING SIZE (Masterflex L/S規格) |
SILICONE C-FLEX |
TYGON® LAB |
TYGON® LFL |
NORPRENE® PHARMED® |
0 |
L/S 15 |
675 |
740 |
740 |
- |
3.7 (12) |
L/S 15 |
635 |
690 |
710 |
- |
7.6 (25) |
L/S 15 |
290 |
210 |
570 |
- |
0 |
L/S 24 |
1085 |
1060 |
1040 |
- |
3.7 (12) |
L/S 24 |
730 |
955 |
1030 |
- |
7.6 (25) |
L/S 24 |
最大揚程4.6m (15feet) |
560 |
670 |
- |
0 |
L/S 25 |
750 |
825 |
785 |
740 |
3.7 (12) |
L/S 25 |
260 |
625 |
680 |
690 |
7.6 (25) |
L/S 25 |
最大揚程4.6m (15feet) |
130 |
365 |
345 |
- «ペリスタポンプの作業性を向上させるには»
- サンプリングチューブ先端に小口径フート弁を取り付ける
- サンプリングチューブを硬質の樹脂(例えばHDPEや硬質テフロン)を使用する
- 軟質チューブの場合には先端におもりを付ける
- «事前に行っておくと良いとされている揚水ホース(サンプリングチューブ)の洗浄方法»
- 無機物を対象とした樹脂製のサンプリングチューブ(揚水ポンプに接続するチューブ類)の場合
- 5%のHCl溶液を1L通し、チューブ内部が洗浄されたことを確認します。
- 2Lの脱イオン水を通過させ、内部にHCl溶液が残っていないことをpHメーターで確認します。(その値が洗浄用の脱イオン水と同一か、または6.0よりも大きいこと)
- 有機物を対象とした樹脂製のサンプリングチューブ(揚水ポンプに接続するチューブ類)の場合
- 1Lの実験器具用無リン洗剤をチューブに通し、水道水または脱イオン水ですすぎます。
- チューブと同じ容量のメタノールを通し、すすぎます。
- チューブを二重の樹脂製の袋(日本語で言う通称ビニール袋)に入れ保管します。
- TPCまたはDOC分析用のサンプリングチューブには、メタノールによるすすぎは行ってはいけません。
- 無機物の採取も併せて行う場合、非金属のチューブに対して、洗剤で洗浄し水道水で洗いながした後、メタノールを通し、その後に酸ですすぐと良いでしょう。
- 洗浄に関する参考資料
- «参考:水面浮上油(LNAPLs)より下位の水を採水する方法»
特に井戸孔内において、水面に浮いている油等の影響を避けて(採水チューブ先端に付着させずに)、採水する方法。
- パイプまたはホースを用意します。この管は、採水チューブが容易に入るくらいの太さで、孔口から水面以下までの長さのものです。ただし太さ(外径)は、下記のキャップサイズに適合するものである必要があります。一般的には、25mmが良いようです。
- 直口(リム無し)試験管用のディスポーザブルタイプのキャップを用意します。このキャップは、外側にかぶせるタイプの物で、あまり強く閉まらない物を選びます。科学機器の専門店で、多様な製品が販売されています。
- このキャップの口元肩部に穴を開け、紐を通します。
- キャップをパイプまたはホースの一端にかぶせ、キャップにつないだ紐をホースに強く結び(巻き結びなどで)つけます。
- キャップをかぶせた側のパイプまたはホースを井戸孔内に入れ、そのままLNAPLの下まで降ろします。これで先端は、LNAPLの下の水中に入っています。先端の深度はLNAPLの直下程度までとして、深い深度までは入れません。
- ここで採水チューブをパイプまたはホースの中に入れ、先端(キャップ)まで差し込み、キャップを外すように強く押し込みます。
- キャップが外れ、採水チューブ先端はLNAPLの下位の水中に位置します。これで採水試料中にLNAPLが入りません。またキャップは紐でホースに結束されているため、井戸孔内に落ちることはありません。
- 採水中も、ホースまたはチューブはそのままの状態にしておきます。そして採水後は、先に採水チューブを回収します。
- 注意:本機へは自動車用バッテリーではなくディープサイクル用バッテリーをお使いください。
- 自動車用バッテリを、充電と放電とを繰り返すサイクル使用(例えば揚水ポンプやポータブル冷凍冷蔵庫など)することは、極端な場合、破裂する恐れがあるため危険です。
- 自動車用のバッテリーは、エンジンを始動用スターターを回すために、一時的にたくさんの電流を供給することを目的として作られています。本機の電源のように、一定電流を供給しながら使用することは、自動車用バッテリーに無理な負荷をかけていることになります。
- また自動車用のバッテリーは、スターターへの電流供給を終えた後(エンジンをスタートした後)、発電機(オルタネーター)から電気が供給され、常時充電される状態が続きます。すなわち、バッテリーの充電がなくなるまで(使い切るまで)使用するようなことは、これもまた無理な負荷をかけていることになります。
更新日:2018年4月1日
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