当社で取り扱っている蛍光染料の使い方と特性
○トレーサー試験(地下水・表流水・パイプライン等)用
○漏水調査・リークテスト用
テクノインターナショナル株式会社 03-5929-9669
高品質、使い易さ、丈夫さを追求した試料採取機器。理想的なサンプリング器材をお届けする
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蛍光染料をお使いになる際には、ご利用される現場の状況に応じて、ここに記述されている特性をご参照ください。
このページに記述してある事項は、当社で取り扱っている蛍光染料(黄緑(ウラニンNaまたはフローレッセン)および赤(ローダミンWT))について、一般的特性と、水域での特性をお示ししています。当社取り扱いの蛍光染料は、水域調査専用として開発・製造されているものですので、試薬や法定染料とは異なり、非常に濃縮されたものとなっています。従いまして、本ページにお示ししている使用量は、それらの試薬や法定染料には適用できません。またここに記述している特性についても、試薬や法定染料とは一致するものではありません。さらに、当社取り扱い以外の染料(例えば青、オレンジ、赤(ローダミンB)等)については、この技術資料の対象外であり、ここの記述内容とは異なりますので、ご注意下さい。
- 当社で取り扱っているトレーサー染料
- 形状:各タイプにそれぞれ2色あります
- 色(染料の種類):それぞれ上記4タイプの形態があります
- 赤色:FWT Red (ローダミンWT)
- 黄緑色:FLT YELLOW/GREEN (フルオレセインナトリウム、通称フローレッセン)
- このFLT Y/GであるSodium fluorescein(C20H10Na2O5)は、ヨーロッパではウラニン(uranine)と呼ばれており、アメリカとイギリスでは、"Acid Yellow 73 fluorescein"とも呼ばれている。
- 日本では法定染料としてウラニンNaや、黄色202号の1と呼ばれ、浴用剤や化粧品等の染料として利用されている。
- 本製品の取り扱いについて
- 注意
- 口や目に入れないこと。
- 製品を扱うときには、手袋とゴーグルを使用すること。
- 子供の手の届かない所に保管すること。
ページ内目次
- トレーサー染料に関するQ and A
- 現場で使用する際の、トレーサー色の選択についての考え方
- 各色の蛍光光度特性
- 当社で取り扱っている製品の特性
- ローダミンWTとフルオレセインナトリウムの一般的な特徴
- 形状の特性
- 蛍光剤(赤色(FWT RED))技術資料
- 蛍光剤(黄緑色(FLT YELLOW/GREEN)技術資料
- 安全性や国内法規制情報
- 安全性情報
- 日本の国内法令等規制情報
- 保管方法
- 流れの調査として参考となる資料
1.当社で取り扱っているトレーサー染料(黄緑 FLT Y/G(ウラニン・フローレッセン)および赤 FWT Red(ローダミンWT))に関する Q and A
-
Q1:この製品(蛍光染料トレーサー)はどのように機能しますか
-
Answer:
- この蛍光染料は水の着色ラベル(水に色が付くことでその色水がマーカととなる)として、ごくわずかな量でトレーサーとしての機能を発揮します。 水または液体が移動するとき、希釈されるまでの間、その移動過程や流動の状況を把握・特定できます。
- 蛍光発光の原理:この製品は選択的に、目に見える範囲のスペクトルを吸収します。 光を吸収する時、ただちに吸収した光より長い波長で発光するので、それらは蛍光となります。 この放射された光(蛍光)はあらゆる方向に消えます。 ほとんどの一般的な蛍光トレーサーは、緑色を吸収し、赤い蛍光色を放つ化合物です。
-
Q2:錠剤タイプ、粉体状タイプ、液状または固形タイプのうち、どれが最も良いですか
-
Answer:
- 少量の水に対しては、錠剤タイプが良いでしょう。 錠剤を排水・下水・汚水処理タンクなどの水の流れに直接投入し、水とともに流すと、約3〜5分後に溶けだします。
- より大きい水域では、粉体か液体タイプが最も適しているかもしれません。
- 長期間にわたる流れの調査や研究では、固体タイプがよいでしょう。
-
Q3:粉体または液体タイプは、高価ではありませんか
-
Answer:
- 希釈させたときの溶液量で考えると、高価ではありません。
- 粉体タイプの"黄緑:FLT Yellow/Green"1ポンド(0.45kg)製品型番8-TR-0003YGは、強く目に見える液体であれば、12万ガロン(456,000L)に溶かします。
- 粉体タイプの"赤:FWT Red"1ポンド(0.45kg)製品型番8-TR-0003Rは、強く目に見える液体であれば、6万400ガロン(229,520L)に溶かします。
- 液体タイプの"黄緑:FLT Yellow/Green"1パイント(0.47L)製品型番8-TR-0001-1YGは、強く目に見える液体であれば、1万2500ガロン(47,500L)に溶かします。
- 液体タイプの"赤:FWT Red25"1パイント(0.47L)製品型番8-TR-0001-1Rは、強く目に見える液体であれば、3,125ガロン(11,829L)に溶かします。(液体タイプの赤は、3種類の濃度があります。詳細は、このページ下部の「5.赤色(FWT RED)蛍光染料技術資料」をご覧下さい。)
-
Q4:蛍光染料のどの色を使用するのがよいでしょうか
-
Answer:
- お客様がどの色を使用するかは水の色、または水のタイプによるでしょう。透明な水ならば、どんな色も使用できます。水が黄色いなら、"赤:FWT Red"(ローダミンWT)が最も良いでしょう。特にこの赤色は、目視により濃度を推定する場合に有効です。 水が暗い茶色であれば、"黄緑:FLT Yellow/Green"(フルオレセインナトリウム)が適切でしょう。
-
Q5:私はどの形状タイプの染料を使用したほうがよいでしょうか
-
Answer:
- それは使用する目的と水域の水量に依存します。
- 濃度測定(定量)を必要としない場合:
- 0〜20,000ガロン(0〜76,000L)の水量は、錠剤または液体タイプを使用します。
- 20,000〜50,000ガロン(76,000〜190,000L)の水量は、錠剤、液体、または固形タイプを使用します。
- 50,000ガロン(190,000L)より多い水量は、固形、粉体または液体タイプを使用します。
- 濃度測定(定量)を行う場合は、どのような水域の水量であっても、液体タイプを使用してください。 水溶液の濃度測定には、定性的な半定量測定では蛍光特性の一致するブラックライトを、厳密な定量的濃度測定には蛍光光度計を用います。
- 液体タイプの黄緑(ウラニン)の有効成分の濃度は約7%です。
- 液体タイプの赤(ローダミンWT)の有効成分の濃度は約2.5%です。
- 濃度測定は、投入溶液の希釈濃度の測定、すなわち希釈倍率で行うと、簡単です。
-
Q6:環境に対しこの製品は安全ですか
-
Answer:
- 当社で取り扱っている黄緑(ウラニン・フローレッセン)および赤(ローダミンWT)の蛍光染料はアメリカにおいて、EPA認可品であり、またNational Sanitation Foundation(NSF)のANSI/NSF Standard60によって定められた濃度レベルであれば、アメリカにおいては飲料水に使用できると公認されています。 さらに生分解性があり、環境に対して安全とされています。
- (NSFは、米国の食品・飲料関係機器・衛生関連機器標準化機関です。日本においてはこの規格を準用できません。)
- 蛍光染料は、化学的に比較的不活性です。また多くの場合、測定系に作用しません。
-
Q7:私は水系のトレーサーとしてどの製品を利用したら良いでしょうか
-
Answer:
- それは使用する目的と水域の水量に依存します。お客様が考えている調査計画と、どのくらいの水がそれに関与するかです。
- 水量が0〜20,000ガロン(0〜76,000L)の場合:錠剤タイプを使用してください。
- 例えば以下のような用途です
- 汚水処理システムの解析
- 漏水・漏出箇所の検知・検出:水中配管の漏洩も着色されたトレーサーにより目視確認できます
- 配管と排水系・水路の追跡:工場内部や工場団地など複数の配管や水路が複雑に入りくんでいる水の流れを実際に追跡できます
- 緊急時(ゲリラ豪雨や越流下水、防液堤のオーバーフローなど)の流下域の事前確認:実際に流れる状況を事前に再現(目視で確認)できます
- 水量が20,000〜50,000ガロン(76,000〜190,000L)の場合:錠剤、液体または固形タイプを使用してください。
- 例えば以下のような用途です
- 水の移動、海流や潮流、水流の調査・研究
- 水の流れの図化(マッピング):例えば工場団地等の多数の排出源のある複雑な排水系を実際に追跡できるほか、小河川・水路系統図を地図(GIS)上に図示できます
- 流れの時間計測:どれくらいの時間で流れる(流下する)のか確認できます
- 緊急時(ゲリラ豪雨や越流下水、防液堤のオーバーフローなど)の流下域の事前確認:実際に流れる状況を事前に再現(目視で確認)できます
- 水量が50,000ガロン(190,000L)より多い場合:液体、粉体または固体タイプを使用してください。
- 例えば以下のような用途です
- 漏水・漏出箇所の検知・検出:水中配管も着色されたトレーサーにより目視確認できます
- 流況の調査・研究
- 汚染の調査・研究
- 冷却管やコイルの密閉の確認
- 発電所など大規模配管の確認
- 湖、川、池の水況の確認
- 濃度測定が要求される研究・調査プロジェクトの場合:液体タイプを使用してください。
- 例えば以下のような用途です
- 流況の調査・研究
- 希釈解析
- 漏れの検知・検出
- 汚染や浄化槽、排水系の検知・検出
-
Q8:この製品はどのくらい水を着色するでしょうか
-
Answer:
- 多くの要素があります。あなたはどのくらいの着色が必要でしょうか。 以下に、決めるためのラフなガイドラインを示します。詳細は、このページ下記の方に示す、各色の「大まかな着色の度合いと量」の表をご参照ください。
- 錠剤タイプ:一般的には1錠のタブレットで、強く目視確認できる濃度(濃い着色)にするには、黄緑(FLT Yellow/Green)も赤(FWT Red)も、それぞれ1錠あたり約60ガロン(228L)の水に溶かします。
- 例:1,200ガロン(4,560L)の汚水処理タンクに入る場合、強く目視確認できる濃度にするのであれば、15〜20錠程度が必要となるでしょう。
- 液体タイプ:一般的には1パイント(0.47L)の量で、強く目視確認できる濃度(濃い着色)にするには、黄緑(FLT Yellow/Green)であれば約12,500ガロン(47,500L)の水に、赤(FWT Red)であれば約3,100ガロン(11,800L)の水に溶かします。なお赤(FWT Red)は3種類の濃度の製品があり、この濃度は標準濃度の製品(No.8-TR-0001-R)の場合です。
- 例:システムに集まってくる水の量が10,000ガロン(38,000L)の場合、強く目視確認できる濃度にするのであれば、黄緑(FLT Yellow/Green)であれば1パイントが必要となるでしょう。
- 粉体タイプ:1ポンド(0.45kg)の量で、強く目視確認できる濃度(濃い着色)にするには、黄緑(FLT Yellow/Green)であれば約120,000ガロン(456,000L)の水に、赤(FWT Red)であれば約60,400ガロン(228,000L)の水に溶かします。
- 例:冷却塔(cooling tower)に240,000ガロン(912,000L)の水が入っている場合、強く目視確認できる濃度にするのであれば、黄緑(FLT Yellow/Green)であれば2ポンド(0.9kg)が必要となるでしょう。
-
Q9:薄い濃度ではどのように検出すれば良いでしょうか
-
Answer:
- この製品は目視できにくい濃度であっても、蛍光発光の性質を使って検出可能です。これは紫外線等の照射高度と染料濃度による蛍光発光が、リニアな比例関係にあるためです。
- 定量分析としては、励起波長の光を照射できる蛍光光度計が良いでしょう。投入直前の投入液の蛍光光度と、希釈後の蛍光光度を比較することで、希釈状況が把握できます。この場合、事前に希釈量に応じた検量線を作成しておく必要があります。
- 定性分析としては、励起波長に近い波長で、強い強度を発するUVランプであれば、濃度の定性的な確認が、比色により可能です。この場合、の注意点として、次の4点があります。1) ランプの出力波長を確認する。2) 試料への照射強度が一定になるように、ランプと試料との設置間隔を一定にする。3) 照射範囲を狭めて、励起している状態を把握する。4) 事前に希釈量に応じた比色試料を作成しておく。
-
Q10:錠剤タイプのこの製品を飲んでしまった場合、何をするべきですか。この製品に毒性、危険はありますか
-
Answer:
- この製品は安全であって毒性は低いものです。接種してしまった場合、まず第一に大量の水を飲んでください。そして製品を持って医療機関で受診してください。短期間の間、汗と尿は製品の色に染まります。
-
Q11:どのようにしたら色を消すことができますか
-
Answer:
- 色を消すには、塩素と混ぜます。漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム、溶液濃度12%の場合)、染料を溶かした水溶液1グラムに対して、約4グラムの漂白剤を加えると、消えます。このほか、大量の水を加えても色が薄まります。
- 塩素は殺菌作用があります。一般環境へ利用される場合は、法令等に従うほか、生物環境にも十分に注意してください。
2.現場で使用する際の、トレーサー色の選択についての考え方
- 測定する対象の水の色により、使用する染料の色を選択します。例えば赤い染料(FWT Red)は、激しく繁茂する藻に対して、より大きい対照となります。
- 蛍光光度計を用いて定量分析をする場合は、赤い染料(FWT Red)を用いてください。蛇足ですが、標準液を作る際の薄め液は、試験水のオリジナル液(染料が添加される前)のものを用いれば、バックグラウンドが補正されますが、その場合バックグラウンド値が一定である場合のみですので、化学排水系で利用する場合、十分にご注意ください。
- 赤(FWT Red)と黄緑(FLT Y/G)の染料は、ハンディのブラックライト(UV)にて、10ppbの範囲で目視確認ができる場合があります。
- 黄緑(FLT Y/G)の染料は、赤(FWT Red)の染料よりも、日光により急激に消滅(見えなくなる)します。
- すべての染料色は、懸濁物質の吸収に抵抗力があります。
3.測定における蛍光の特性
3−1.当社で取り扱っている製品の特性(黄緑 FLT Yellow/Green(ウラニンまたはフローレッセン)および赤 FWT Red(ローダミンWT))
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環境適合性
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検出可能性 vs. 対象の水域水量
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抵抗性 (Resistance To:)
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性能総合評価
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バックグラウンドの蛍光
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pH
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蛍光光度計
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Temperature Fluctuation
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最大励起波長 (Absorption)
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最大蛍光波長 (Emission)
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Absorption on Suspended
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Sunlight Degradation
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5-7
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7-11
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Minerals
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Organics
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赤色 (FWT Red) Rhodamine WT
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VG
|
E
|
VG
|
E
|
G
|
550nm
|
588nm
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VG
|
G
|
E
|
VG
|
黄緑色 (FLT Yellow/Green) Sodium Fluorescent
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G
|
P
|
P
|
E
|
G
|
490nm
|
520nm
|
VG
|
G
|
P
|
G
|
E =Excellent; VG =Very Good; G =Good; F =Fair; P =Poor
3−2.赤(FWT Red)と黄緑(FLT Yellow/Green)の一般的な特徴
CAS番号とカラーインデックス
- 赤(FWT Red)
- 一般的な物質の名称:ローダミンWT(WTは、Water Traceの略)
- CAS No. 37299-86-8
- カラーインデックス:C.I. Acid Red 388
- 黄緑(FLT Yellow/Green)
- 一般的な物質の名称:フルオレセインナトリウム(Sodium Fluorescent、またはNa-fluorescein、最近の言い方はウラニン、国内での通称はフローレッセン)
- CAS No. 518-47-8
- カラーインデックス:C.I. Acid Yellow 73
近年は以下の特徴から、赤(ローダミンWT)が多く使われるようになっています。
- 利点
- 分析に供する試験水に含有するバックグランドの蛍光は、調査のために加えた染料の濃度を検出できる検出限界値を高くすると言われることがあります。しかしローダミンWTであれば、適切なフィルターを用いた蛍光光度計を用いることで、バックグラウンド蛍光に影響を受けることなく、非常に低い(およそ0.1ppb)検出限界値を得ることができます。
- ローダミンWTは、従来使われてきたローダミンBよりも土壌に対し吸着しにくいように開発されたものです。
- ローダミンWTの温度係数は、摂氏1度あたり、-0.36%です。
- 欠点
- フルオレセインナトリウムは、直射日光により、急激に減色します。もちろん地下水の調査では、全く問題になりません。
- 添加前の試験水中の自然に含まれる蛍光体の特性がフルオレセインナトリウムと同様の傾向を示すことが多いため、測定の妨害になることが多い。フィルターを正確に設定した蛍光光度計において、濃度(バックグラウンド値)を計測し、必要な(有意差のある)濃度をあらかじめ設定しておく必要があります。
- フルオレセインナトリウムは、ローダミンWTと比較して、pHに対して敏感です。フルオレセインナトリウムはpH値5.5未満で非常に急激に退色します。 フルオレセインナトリウムを使用する場合には、最適な結果を得るために、事前に試験水のpHが6〜10であることを確認しなければなりません。
参考文献:Turner Designs Solutions (Oct 1998), Bulletin No.103, "Fluorescein".
4.形状の特性
赤(FWT Red)、黄緑(FLT Y/G)ともにほぼ同じ形状特性です。
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全般的な 使いやすさ
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検出方法
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分散速度
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計測対象の水量
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目視
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U.V. ランプ
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蛍光 光度計
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0〜20,000gal. (0〜76,000L)
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20,000〜50,000gal. (76,000〜190,000L)
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over 50,000gal.(190,000L〜)
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錠剤タイプ
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E
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E
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E
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F
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Rapid
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○
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○
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-
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液状タイプ
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VG
|
E
|
E
|
E
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Very Rapid
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○
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○
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○ |
粉状タイプ
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G
|
VG
|
VG
|
G
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Moderate
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-
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○ |
○ |
固体タイプ
|
VG
|
VG
|
G
|
P
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Slow/Moderate
|
-
|
○ |
-
|
E =Excellent; VG =Very Good; G =Good; F =Fair; P =Poor
5.赤色(FWT RED)蛍光染料技術資料
"FWT Red"の製品(液体・粉体・錠剤・固体)は、水の流れの状況(流況)と漏水検出の調査・研究において、最も使いやすいように作られたローダミンWT(Rhodamine WT)染料です。 この赤色蛍光染料は、米国において、NSFのANSI/NSF Standard60によって、飲料水に使用できると認証されています。 この製品を用いた場合の流況調査は、容易に目視で確認できるほか、紫外線ランプと蛍光光度計によって、適切に染料を検出できます。 染料を用いた調査では、米国では最も多く使用されてます。色は、水中では赤からピンク色で、紫外線の光に当てると明るいオレンジとなります。
この染料は、清水と塩水の中の浮遊物質に対する吸着に、抵抗性があります。 また"FLT Yellow/Green"製品と比べて、著しく太陽光による減衰に抵抗性があります。さらに蛍光光度計を使用して定量濃度測定を行う場合、バックグランドに対して、明確に検出することができます。
○一般的特性(FWT Red)
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FWT RED 錠剤(Tablets) 8-TR-0002R
|
FWT Red 液体(Liquid)
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FWT RED 粉体(Powders) 8-TR-0003R
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8-TR-0001-1R 8-TR-0001-2R
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8-TR-0001-1R(+50) 特濃縮タイプ
|
8-TR-0001-1R(+200) 超濃縮タイプ
|
有効成分の検知性(Detectability of active ingredient) ※1
|
目視確認: <100 ppb
|
目視確認: <100 ppb
|
目視確認: <100 ppb
|
最大励起 / 蛍光波長 ※2
|
550 / 588 nm
|
550 / 588 nm
|
550 / 588 nm
|
外形
|
暗い赤〜紫色 直径約1.6cmの凸状の錠剤
|
澄んだ暗い赤色、水溶液
|
暗い赤色、細粒の粉状
|
飲料水へ使用できる最大濃度(NSF)
|
0.3 ppb
|
0.8 ppb
|
0.1 ppb
|
重さ
|
1.05 grams ± 0.05 (この重さは、製造時に想定している重さであって、実際の製品は多少の幅があります。)
|
n/a
|
n/a
|
溶解時間 ※3
|
50% < 3 minutes
95% < 6 minutes
|
Immediately
|
50% < 3 minutes
95% < 6 minutes
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比重(原液)
|
n/a
|
1.03 ± 0.05 @ 25°C
|
1.15 ± 0.05 @ 25°C
|
n/a
|
粘性(原液) ※4
|
n/a
|
1.3 cps
|
4.3 cps
|
n/a
|
pH(原液)
|
n/a
|
8.7 ± 0.5 @ 25°C
|
10.6 ± 0.2 @ 25°C
|
n/a
|
- ※1:100mLのフラスコに脱イオン水を入れた状態。現場における実際の検出範囲は、水の状況によって変わります。
- ※2:pH6〜11の間では、蛍光に変化はありません。
- ※3:1錠または1gの粉体を10ガロン(38L)の脱イオン水にいれた場合。
- ※4:Brookfield粘度計にて測定(Model LV, ULアダプタ、60rpm摂氏25度)
○大まかな着色の度合いと量(FWT Red)
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FWT RED 錠剤(Tablets) 8-TR-0002R
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FWT Red 液体(Liquid)
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FWT RED 粉体(Powders) 8-TR-0003R
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8-TR-0001-1R 8-TR-0001-2R
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8-TR-0001-1R(+50) 特濃縮タイプ
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8-TR-0001-1R(+200) 超濃縮タイプ
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添加製品量
|
1錠
|
1パイント(0.47L)添加の場合
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1ポンド(0.45kg)
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薄い着色 (100 ppb)となる水の量
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604 gallons (2,295.2 L)
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31,250 gallons (118,750 L)
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62,500 gallons (236,588 L)
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250,000 gallons (946,353 L)
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604,000 gallons (2,295,200 L)
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濃い着色 (1 ppm)となる水の量
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60 gallons (228 L)
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3,125 gallons (11,829 L)
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6,250 gallons (23,659 L)
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25,000 gallons (94,635 L)
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60,400 gallons (228,639 L)
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- 注意
- ここに書いてある内容は、製造メーカーが提供している内容を日本語に翻訳したものです。できるだけ誤りのないように行っておりますが、記述内容を保証するものではありません。
- ここに示す製品が皮膚に触れた場合、刺激炎症および(または)染みを付ける可能性があります。この製品を扱うときには、手袋とゴーグルの使用をお薦めします。
- 当製品を日本国内においておいてご使用される場合は、ご使用状況を踏まえた上で、SDS(安全データシート)や国内法令等をご確認のうえ、ご使用者の責任の下、注意してお使いください。また、これら公表されている情報以外に必要とされる内容があった場合は、ご自身で試験等を実施されることをお薦めします。
- 飲料可能な濃度として示されている値は、米国のNSFによるものです。日本でそのまま適用できる規格・基準・濃度ではありません。
6.黄緑色(FLT YELLOW/GREEN)蛍光染料技術資料
"FLT Yellow/Green"の製品(液体・粉体・錠剤・固体)は、水の流れの状況(流況)と漏水検出の調査・研究において、最も使いやすいように作られたフルオレセインナトリウム(Sodium Fluorescent、またはNa-fluorescein、最近の言い方はウラニン、国内での通称はフローレッセン)染料です。 この染料はトレーサーと漏出検知剤として、従来より使われてきています。また水をラベリングする調査に使われています。UVランプによる目視の確認と、蛍光光度計により検出できるでしょう。 このトレーサー染料は目に見えるようにする調査において、ほぼ常用されています。 この染料は、非常に大きい水域において、着水落下したパイロットを救出するための水へのマーカーとして、米軍に使用されています。 この"FLT Yellow/Green"製品は、UVライト下では、その濃度にもよりますが、ライムグリーンの蛍光色としてみることができます。
生物化学的酸素要求量(BOD)研究では、7日間後に有効酸素の65%が消費された状態で、この製品は生物分解可能です。 この染料は、清水と塩水の中の浮遊物質に対する吸着に、抵抗性があります。また"FWT Red"の製品と比べて、日光により容易に劣化します。さらに蛍光度を測定する場合、バックグラウンド値よりも低くなる可能性があります。
○一般的特性(FLT Yellow/Green)
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FLT Y/G 錠剤 (Tablets) 8-TR-0002YG
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FLT Y/G 液体 (Liquids) 8-TR-0001-1YG, 8-TR-0001-2YG
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FLT Y/G 粉体 (Powders) 8-TR-0003YG
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有効成分の検知性 (Detectability of active ingredient) ※1
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目視確認: <100 ppb
|
目視確認: <100 ppb
|
目視確認: <100 ppb
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最大励起 / 蛍光波長
|
490 / 520 nm
|
490 / 520 nm
|
490 / 520 nm
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外形
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濃いオレンジ色 直径約1.6cmの凸状の錠剤
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赤褐色、水溶液
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オレンジ色、細粒の粉状
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飲料水へ使用できる最大濃度(NSF)
|
6.0 ppb
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10.0 ppb
|
1.0 ppb
|
重さ
|
1.35 grams ± 0.05 (この重さは、製造時に想定している重さであって、実際の製品は多少の幅があります。)
|
n/a
|
n/a
|
溶解時間 ※3
|
95% < 6 minutes
|
Immediately
|
50% < 3 minutes
95% < 6 minutes
|
比重(原液)
|
n/a
|
1.05 ± 0.05 @ 25°C
|
n/a
|
粘性(原液) ※4
|
n/a
|
1.8 cps
|
n/a
|
pH(原液)
|
n/a
|
8.5 ± 0.5 @ 25°C
|
n/a
|
- ※1:100mLのフラスコに脱イオン水を入れた状態。現場における実際の検出範囲は、水の状況によって変わります。
- ※2:pH6〜11の間では、蛍光に変化はありません。
- ※3:1錠または1gの粉体を10ガロン(38L)の脱イオン水にいれた場合。
- ※4:Brookfield粘度計にて測定(Model LV, ULアダプタ、60rpm摂氏25度)
○大まかな着色の度合いと量(FLT Y/G)
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FLT Y/G 錠剤 (Tablets) 8-TR-0002YG
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FLT Y/G 液体 (Liquids) 8-TR-0001-1YG, 8-TR-0001-2YG
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FLT Y/G 粉体 (Powders) 8-TR-0003YG
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添加製品量
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1錠
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1パイント(0.47L)添加の場合
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1ポンド(0.25kg)
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薄い着色 (100 ppb)となる水の量
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605 gallons (2,299 L)
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125,000 gallons (475,000 L)
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1,200,000 gallons (4,560,000 L)
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濃い着色 (1 ppm)となる水の量
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60 gallons (228 L)
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12,500 gallons (47,500 L)
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120,000 gallons (456,000 L)
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- 注意
- ここに書いてある内容は、製造メーカーが提供している内容を日本語に翻訳したものです。できるだけ誤りのないように行っておりますが、記述内容を保証するものではありません。
- ここに示す製品が皮膚に触れた場合、刺激炎症および(または)染みを付ける可能性があります。この製品を扱うときには、手袋とゴーグルの使用をお薦めします。
- 当製品を日本国内においておいてご使用される場合は、ご使用状況を踏まえた上で、SDS(安全データシート)や国内法令等をご確認のうえ、ご使用者の責任の下、注意してお使いください。また、これら公表されている情報以外に必要とされる内容があった場合は、ご自身で試験等を実施されることをお薦めします。
- 飲料可能な濃度として示されている値は、米国のNSFによるものです。日本でそのまま適用できる規格・基準・濃度ではありません。
7.国内法の規制情報
7−1.安全性情報
7−2.日本の国内法令等規制情報
国内法令等による規制に関する情報は、最新の情報をご確認いただくため、国等により整備されている各種のデータベースにアクセスいただくことが最適です。
ここでは、「nite − (独法)製品評価技術基盤機構」による「化学物質総合情報提供システム(CHRIP)」データベースをご紹介します。CHRIPデータベースでは以下の法令等にかかる情報を調べることができます。
なお、CHRIPデータベースが網羅している法令等に変更があった場合、弊社ではその内容を把握する立場にありません。必要とされる法令等がある場合は、その法令等を網羅しているのか、CHRIPデータベースでの確認をお願いいたします。
また、当社はCHRIPデータベースの内容について、一切の責任を有しません。
- 化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)(平成 23年4月1日から施行)
- 化審法:化学物質安全性点検結果(分解性・蓄積性)
- 化審法:既存化学物質安全性点検結果(毒性)
- 化管法(平成 21年10月1日から施行)
- (旧)化管法(平成 21年9月30日まで)
- 毒物及び劇物取締法
- 労働安全衛生法:公表化学物質
- 労働安全衛生法:製造等が禁止される有害物等
- 労働安全衛生法:製造の許可を受けるべき有害物
- 労働安全衛生法:名称等を表示すべき危険物及び有害物
- 労働安全衛生法:名称等を通知すべき危険物及び有害物
- 労働安全衛生法:既存化学物質の変異原性試験結果
- 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律
- 特定物質の規制等によるオゾン層の保護に関する法律
- 大気汚染防止法
- 水質汚濁防止法
- 土壌汚染対策法
- 有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律
- 等(詳細はデータベースをご確認ください。)
○「化学物質総合情報提供システム(CHRIP)」データベースの検索の方法
- データベースに接続する。
- 化学物質総合情報提供システム(CHRIP):http://www.safe.nite.go.jp/japan/db.html
- 表示されるデータベースの免責事項に同意できるようであれば、その先に進む。
- 「化学物質から調べる」と「法規制等から調べる」の選択表示から、「化学物質から調べる」を選択し、その先へ進む。
- キーワード検索に以下のCAS番号を入力し、右側の選択リストから「CAS RN」を選択。さらに、その他の必要な条件を選択・入力。最後に入力内容を確認し、「検索実行」クリック。
- 赤(FWT Red)ローダミンWT:CAS No. 37299-86-8
- 黄緑(FLT Yellow/Green)ウラニン:CAS No. 518-47-8
- CAS番号に対応した物質について、検索結果が表示される。
- 検索結果として表示された「国内法規制情報」や「有害性・リスク評価情報」に表示された内容を確認し、必要であればそれぞれの項目を選択し、その先へ進む。
- 国内法規制等の個別の内容が表示される。
- 検索結果について当社にお問い合わせいただきましても、申し訳ございませんがお答えできません。
- また、当該サイトの使用法の変更により、ここに書いた手順とは異なる場合があります。
8.保管方法
当製品は、赤色(FWT RED)も黄緑色(FLT YELLOW/GREEN)も、その形状(液体・粉体・錠剤・固体)に関係なく、化学的に安定しています。したがって、以下の方法に従い、保管をしてくだされば、一般的に考えられる程度の長い期間にわたってご使用いただくことができます。
ただし、具体的な期間は、保管方法や、ご使用になられた際の容器からの取り出し方等にもより、大きく異なります。
○保管に際して、以下のことをお守りください。
- 粉体、液体、錠剤、個体いずれも、それ自体に光が当たらないようにする。また、温度をできるだけ常温で一定にし、極端な温度変化を与えないようにする。
- 粉体、錠剤、個体は湿度を避け、シリカゲルなどで湿度の管理を行う。容器の外部にシリカゲルを置いても、容器内の湿度管理とはなりません。また、シリカゲルは、定期的に水分を飛ばすなどの管理を忘れずに行ってください。
- 液体は、蒸発をさせない。容器内での蒸発が起きる可能性も想定する。また、凍らせないこと。
○ご使用と保管についてのご注意
- 現場で使用する際は、販売した際に入っていた容器をそのまま現場に持ち込むのではなく、あらかじめ室内でご使用する分を小分けして、それを持っていくこと。
- 粉体・錠剤の場合:現場は水に近いことから、取り扱い時の水分や湿気が、粉体や錠剤を入れている容器内に入ってしまうことを避けるためです。容器を開けた際に、水しぶきや、高い湿度の空気、手に付いた水が入り込んでしまうことが多く発生します。
- 液体の場合:粉体や液体と同様に、現場の水分が、容器の中に入ってしまい、成分の安定が損なわれる可能性があるためです。もちろん、湿気程度では問題が無いように思われますが、現場でどのような事態になり、水が入ってしまうかわからないためです。
- 小分けしたものは使い切り、保管容器には戻さないこと。
- 吸湿した粉体・錠剤・個体は、保管容器内で水分を放出し、容器内で、他へ湿気を移してしまいます。これを避けるためです。
9.染料による流況調査に関して参考となる文献
- ○調査方法:Techniques of Water-Resources Investigations Reports (U.S. Geological Survey)
- USGS(米国地質調査所)による水資源調査(通称TWRI)の技術解説書です。このうち染料トレーサーの調査方法については、Book3-A9、Book3-A12、Book3-A16に、具体的で詳細な解説があります。
- ○調査計画:Tracer-Test Planning Using the Efficient Hydrologic Tracer-Test Design (EHTD) Program 2005
- トレーサーを使用する場合の計画立案のためのPC-Windows用プログラムです。このプログラムによって、トレーサー投入量、サンプリングの時期・頻度などを、あらかじめ試算することができます。特に、トレーサーが未検出で通過してしまうことを避けたいばかりに、投入と同時にサンプリングを開始したり、またサンプリング間隔を短くしたりしてしまいがちです。このプログラムは、効率的にトレーサー試験を行う計画の立案を手助けしてくれるツールです。
以上
更新日:2022年3月15日