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このページは採水を行う調査機器の選定に際し、その素材面からの機器選択について、簡易的にご参考いただくために、下記の文献の一部について和訳したものです。機器の使用に際しては、このページだけでなく下記の原典等に基づき、ご利用者の判断において調査を実施してください。
このField Manual (U.S. Geological Survey)は、全編を印刷すると両面でも約10cmの厚さがあるほど、多様な内容が書かれており、大変参考になります。ご一読をお薦めします。
無機の微量元素サンプリングに使用される樹脂は、着色していないか、または白いものでなければなりません。(Horowitz and others, 1994)
材 質 | 詳 細 | 分析項目(無機物) | 分析項目(有機物) |
---|---|---|---|
フルオロカーボンポリマー (テフロン®、カイナー®、テフゼル®を含む) |
ほとんどの物質には化学的に不活性。 | 一般に使用において適切。 (フッ化物(fluoride)の発生源の可能性がある) |
一般に使用において適切。 (いくつかの有機物が収着) |
ポリプロピレン(略称:PP) | 無機物質に比較的不活性。 | 一般に使用において適切。 | 使用しないこと。 |
ポリエチレン(リニアの物)(略称:PE) | 無機物質に比較的不活性。 | 一般に使用において適切。 | 使用しないこと |
ポリ塩化ビニル(略称:PVC) | 無機物質に比較的不活性。 | 一般に使用において適切。 | 使用しないこと。 |
シリコン | 非常に多孔質 ほとんどの無機の物質に比較的不活性。 |
一般に使用において適切。 (ケイ酸(silica)の発生源の可能性がある) |
使用しないこと。 |
ナイロン | 無機物質に比較的不活性。 | 一般に使用において適切。 | 使用しないこと。 CFCs(chlorofluorocarbon:クロロフルオロカーボン)を除く。 |
Horowitz, A.J., Demas, C.R., Fitzgerald, K.K., Miller, T.L., and Rickert, D.A., 1994, U.S. Geological Survey protocol for the collection and processing of surface-water samples for the subsequent determination of inorganic constituents in filtered water: U.S. Geological Survey Open-File Report 94-539, 57 p.(注:このファイル形式は、DjVu(デジャヴ)形式です)
注)水中ポンプから揚水するためのチューブの材質として、DOの測定を行う場合には、気体が透過しにくいことから、高密度の樹脂(high-density plastic)またはフルオロカーボンポリマー(fluorocarbon-polymer)を使うとされています。(USGS-NFM Chap. 6A, Field Measurements, 6.2.1.C, Measurement/Ground Water (Version 2.1, Jun 2006))
ほとんどのサンプリング用水中ポンプには、ステンレス製の部品があります。 可能な限りサンプルに触れる部品(例えば、bladder, stator, impeller)に、フルオロカーボンを使用することによって、無機サンプルへの影響を最小にすることができます。
材 質 | 詳 細 | 分析項目(無機物) | 分析項目(有機物) |
---|---|---|---|
ステンレススチール(316グレード)(通称:SS316) | 耐腐食性が最も良い金属。 様々なグレードがある。 水中ポンプのケーシングに使われている。 |
一般に使用において適切 (もし腐食していれば次の物質の発生源の可能性がある。Cr, Ni, Fe, possibly Mn and Mo※) 表流水のサンプリングには使用しない。 水中ポンプを除き、樹脂でコーティングされた機器を使用のこと。 |
一般に使用において適切。 腐食していれば使用しないこと。※ |
ステンレススチール(304グレード)(通称:SS304) | SS316と同様だが、それほど耐腐食性はない。 | 使用しないこと。 | 一般に使用において適切。 腐食していれば使用しないこと※。 |
他の金属: 真鍮、鉄、アルミニウム、亜鉛めっきされたもの、炭素鋼 | 冷却グレードの銅かまたはアルミニウムの管は、3H/3He, CFC, and SF-6の採取に規定通り使用できる。 | 使用しないこと。 アイソトープの指定のない限り。 |
一般に使用において適切。 CFCsは規程通り使用。 腐食していれば使用しないこと※。 |
※:腐食または風化した表面は、有機物質にとって活発な収着(sorption)サイトとなっており、そこから微量元素がしみ出ます。
材 質 | 詳 細 | 分析項目(無機物) | 分析項目(有機物) |
---|---|---|---|
ホウケイ酸ガラス(理化学機器用) セラミック |
比較的不活性。 潜在的に物質の収着あり。 |
一般に使用において適切。 (ホウ素(B)とケイ素(Si)の発生源の可能性がある) |
一般に使用において適切 |
以上
更新日:2016年12月3日