水調査機器用・地下水採水器(ベーラー等)用ガラス繊維ロープ
ガラス繊維のため延びにくく柔軟性があり、かつ広範囲の水質に対応し、各種の水調査機器に使用できるロープ
テクノインターナショナル株式会社
03-5303-9700
高品質、使い易さ、丈夫さを追求した試料採取機器。理想的なサンプリング器材をお届けする
・・・それが使命と私たちは考えます
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左大きい写真:直径5mm, 長さ100mの外観 中央上:ロープの目盛り(赤1点:50cmごと、黒1点:10cmごと) 右上:1mごとのロープ目盛り(赤2点と数値)この例は100mのマーク |
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中央下:ロープ断面(中央透明はガラス繊維、周囲白色はPVC) その右:先端ナスカン開いた状況 右下:ロープにベーラーを吊した状況 |
ガラス繊維を芯としていることから、丈夫で切れにくく、負荷による延びが少ないという特徴を持った、水域・海洋調査機器をつり下げるための専用ロープです。
PVC(ポリ塩化ビニル)がガラス繊維の周りにコーティングされています。これにより、ロープ自体が水を含まず軽く操作ができます。また、現場で容易に洗浄をすることができ、水質用の採水時にもコンタミ防止として、適切に対応することができるように造られている製品です。
10cmごとに深度(長さ)の表示がされており、50cm、1mごとに異なるマークが印字され、長さを簡単に確認しやすくなっています。また、メートルごとのマークには、長さの数値が書かれており、繰り出し長さ(巻き上げ)を容易に読み取ることができます。これらはロープに直接印刷されています。先端・後端の留め輪部をのぞき、ロープ中に金具等の凸部や引っかかりは、一切ありません。
井戸孔内用の他、湖沼の採水や、海洋等の調査にも安心してお使いいただけます。
本製品は、水域調査用専用に製作・調整している、当社専用品です。
このロープには、水域・水中調査機器やベーラー採水器用に最適な「ナスカン」が、ロープ先端(ゼロメートル)に付いています。
このナスカンは、1) ワンタッチで・確実に・素早く・調査等機器類が装着でき、2) 外開きでストッパー付きのため機器類が外れにくく、3) ステンレス(SUS304)製のため錆びにくい、という優れた特徴のあるもので、高額な調査機器も安心して接続していただけます。
もちろん絶対に外れないものではありませんので、1)作業前の点検、2)落下防止に補助的な固定具の使用(SS針金で縛るなど)、などを行って下さい。
ロープ先端(ゼロメートル)
ロープは、外直径5mm、7mmの2種類あります。またそれぞれ長さは20m, 30m, 50m, 100mのものがあります。
100mを超える長さのロープ(目盛り等の他の仕様は同一)についても、約15日で製作いたします。お問い合わせ下さい。
7mmのものは、この数値よりも、実物を見た印象として、しっかりとした、太い印象を受けます。
ロープ先端は、右の写真のように長さ10cmほどの輪となっており、またこの輪の先端を0(ゼロ)メートルとしています。ご使用時には、ナスカンの長さと、ベーラー等の調査機器の長さをご確認いただき、適切な深度でご利用ください。
また、当社のロープは終端にも輪を作ってありますので、ご利用のリールや、不動体(海洋調査の場合では船のクリート等)への固定が、簡単に行えるようになっています。
- «水調査機器用・地下水採水器(ベーラー等)用ガラス繊維ロープの特徴»
- 芯にガラス繊維を使用:切れにくく、延びにくい。また適度に曲がる(柔軟性がある)ため、取扱いが楽。
- 断面形状が丸:井戸孔内の孔壁に張り付きにくい。ロープが平らな断面の場合、孔壁に張り付いてしまい引き上げることが困難となるが、そのようなことは発生しない。
- 表面をPVCコーティング:適度に滑る(ロープ表面に引っかかりがない)ため、孔内にスムーズにベーラーを降ろすことが可能。また深度の印字は、摩擦などにより落ちにくく、もちろん深度表示がずれることはない。
- ステンレス製高品質ナスカンを装備:このナスカンは、次の特徴を持っており、安心して水中の調査に利用できます。
- 外開きのため外力で外れにくい(外からの力により、留め金が内側に開くことはあっても、外側へ開くことは、現場ではまず発生することはない)。
- 留め金には、外れ止め付きのため開閉ロックがついている。(開閉ロックを外さない限り、留め金が開くことはない。開閉ロックは、ワンタッチで外すことが可能。)
- SUS304製のため錆びにくい。
- 外れ止めのための開閉録ロックを駆動させるバネも、SUS304でできている。
- 使用しているナスカンは、弊社取り扱いの「安価・高品質試料採水タイプ」のベーラーに最適にフィットするサイズ。
- ナスカン自体の参考使用荷重は100kgf。
- (ナスカンの外れ止めは、ロープに吊り下げる調査機器類が、ロープからはずれて、落下することをできるだけ防止するためのものです。たとえば井戸孔内の場合はベーラーが水面に着水した衝撃により、ロープからベーラーが外れてしまい、井戸孔内へ落下することが、発生してしまうことがあります。この落下を防止するために、ワンタッチで解除できるロック機構が付いているものを用意しています。)
- 水域調査・地下水採水器(ベーラー)用ガラス繊維ロープ:仕様
- 弊社商品番号:4-AS-0003
- 材質:芯ガラス繊維、PVCコーティング
- 芯ガラス繊維直径:直径5mmタイプは2.1mm、直径7mmタイプは3mm。
- 材質設計強度(試験による確認済み)
- ロープ材の引っ張り強度(5mm, 7mmとも):250kgf以上(7mmの場合実際には300kgf以上はありますが、設計強度はこの値です)
- ロープ材の延び(5mm, 7mmとも):1%以下(50kg荷重時)、3%以下(切断時)
- ロープ先端:約10cmの輪。取り外し可能のナスカンつき。ロープ先端がゼロとなっています。
- ロープ後端:30cm程度の輪。手を入れて持てるようになっています。
- 添付ナスカン:外れ止め付き外開きSS304製ナスカン(ナスカン規格:参考使用荷重100kg、開口幅16mm、長さ63mm)
- ロープ重量
- 直径5mm:20m=約0.7kg, 30m=約0.9kg, 50m=約1.7kg, 100m=約3.4kg
- 直径7mm:20m=約1.1kg, 30m=約1.6kg, 50m=約2.7kg, 100m=約5.4kg
- 注意
- 初めてお使いになる際には、分析用科学機器の洗浄法に従って、必ず洗浄を行ってからご使用ください。
- ナスカンの素材であるSUS304は錆びにくいものではありますが、絶対にサビないというものではありません。またロープも同様に、腐食性の強い水において使用すれば、耐久性は著しく低下します。使用後は、清水等で付着物を洗い流し乾燥させ、腐蝕をさせないようにしてください。
- 使用前に、ロープ・ナスカンともに、点検を行い、摩耗・傷・変形などが見られた場合には、使用を中止すること。
- 調査機器類を水中へ落下させないため、水中へ投入する直前に、再度ナスカンの取り付け状況を確認を行ってください。
- 他用途に用いないでください。特に人の命に関わる作業には、使用できません。
- 極端な衝撃を与えないこと。
- ロープのねじれ(キンクとも言う)や、「より」は、低荷重での変形・破断を招きます。使用前に、取り除いてください。
- テンションが係った状態(常に引っ張られている状態)で長期保管を行うと、コーティングしているPVCに「より癖」が付いてしまいます。できるだけフリー状態で保管を行うことをお薦めします。
計測機器を吊すためのロープ加工
弊社はこのロープに様々な計測機器を、つるし柿のように、吊すための「輪」の加工も承っております。右の写真が加工したものです。
加工できるロープの材質は、直径5mmのみとなります。7mmのロープには加工することはできません。なお「輪」に使用するロープは、同一の物です。
輪の大きさは、おおむね5cmとなります。またロープに設置できる「輪」の間隔は、最低10cmとなります。
加工価格は、輪を設置する1カ所あたりで計上いたします。新品のご発注品のみに、追加のオプションで承ります。
価格:
- 直径5mm
- 直径7mm
- ロープ「輪」加工
この製品のご注文またはお問い合わせは当社まで
当製品にかかる関連情報
- «長いロープをキンクさせずに使用・収納する方法»
- ロープをリール等を用いずに手で巻いて収納している状態から、いきなり伸ばすと、ロープに"よじれ"や"ねじれ"が発生してしまい、よりを戻すために作業の中断が発生しているのをよく見かけます。ロープにキンクを発生させてしまうと、正確な長さがわからなくなってしまったり、キンクが元となり断線が発生したりします。ベーラーに用いる様な、数十メートルと長く、巻いたり出したりの作業を頻繁行わなければならない場合、このキンクを発生させないためには、最も安全で、しかも手早く作業を行うことができることから、リールを使うことをまずはお薦めします。
しかし、リールを使えないときもあります。そこでキンクを発生させない簡単な手巻きによる収納の方法をご紹介します。ただし、注意点が2つあります。一つは、ロープに"癖(くせ)"が付く前からこの方法を行い、以降ずっとこの方法を用いること(変な癖を付けないため)。2点目は、癖が付いているロープでは、この方法が使えないということです。でも、難しくありません。数百メートルの長さのケーブルを、山の中に配線・回収する仕事(わかる方にはわかる地震探査とか電気探査のケーブルです。)で、数十年前から普通に行われてきた方法ですから。
- 方法は簡単です。巻き取る際に、ロープのねじれを1巻きごとに交互に逆にしてやれば良いのです。すなわち、2巻きを繰り出すと、互いのねじれが逆なので、まっすぐになります。通常の巻き取り作業では、常に同じ方向に巻こうとします。この巻き方では、巻き取ることがそのままロープにねじれを生じさせているのですから、同じ方向に巻き取ったロープを繰り出せば、当然ながらキンクが生じてしまいます。ですので、巻き取りと逆にねじった状態を、2巻きごとに作るのです。
- なんとなく理屈はわかるが、具体的にどうやるのだ?と言う方は、この参考動画をご覧下さい。この動画は、ロープの太さに対応したいくつかの方法が紹介されています。弊社のベイラーロープの太さでは、1巻目はロープを普通に持って巻き付け、2巻目は手を逆手してロープを握って巻き付ける方法をお薦めします。
- How to Coil Cables (London School of Sound)
- 上記を書いた後になってわかったのですが、日本国内では「8字巻き(はちのじまき)」と呼ばれているとのこと。
- «ベーラーおよびロープ等の洗浄方法(USGS TWRIより)»
- 油分や細菌等のない、一般的な洗浄の場合
- ベーラー本体およびロープ(すべてリールから出す)を、0.1〜2%の実験器具用無リン洗剤(Liquinoxなど)を使って、傷の付かないやわらかいブラシなどを使って洗浄します。
- 水道水で洗剤を洗い流した後、脱イオン水ですすぎ、十分に乾燥させ、ロープはリールに巻いて保管します。
- 油が付着している場合
- 実験器具用無リン洗剤を適切な濃度(Liquinoxの場合は10%)で用意します。
- ブラシなどで油を洗い落とします。
- もしそれでも落ちない様でしたら、エタノールやメタノール、アセトンなどで拭き取ります。なおロープにテープに書かれている文字(印字)が消える恐れがあります。またこれらの薬品を使用する場合、適切に管理された状態で行ってください。
- 水道水で洗剤を洗い流した後、脱イオン水ですすぎ、十分に乾燥させ、リールに巻いて保管します。
- 人の糞便性大腸菌類や家畜などの糞尿を含む場合
- 上記に書かれた洗剤による洗浄は事前に行っているものとします。
- 50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液(下の訳者注を参照のこと)、またはエタノール、メタノールを用意します。薬品によっては、テープの材質を痛めたり、印字が落ちる場合がありますので、事前確認をお薦めします。
- これらの溶液で、ベーラーやロープ等を拭きます。
- 引用文献
- USGS - National Field Manual for the Collection of Water-Quality Data (TWRI Book 9), ″Chapter A3. Cleaning of Equipment for Water Sampling -Version 2.0 ″, April 2004
- 訳者注)次亜塩素酸ナトリウム水溶液の濃度について:ノロウイルス対策用の日用品の消毒には、日本国内では塩素濃度200ppm〜500ppmの濃度のものを用いるとしています。(例えば、ノロウイルスの消毒方法(内閣府食品安全委員会)。)ここで紹介したUSGSのマニュアルでは、濃度を50ppmとしたものを用いています。従って、現場の状況に応じて濃度を濃くするなどの必要な調整をしてください。
- 50ppmの次亜塩素酸ナトリウム水溶液を作る方法
- 日本国内で販売されている消毒薬と言われている同製品(次亜塩素酸ナトリウム水溶液)は有効塩素量が約6%です。まずはじめに、これを20倍希釈した3,000ppmの水溶液を作成します。この3,000ppmの水溶液は、ペットボトルのキャップ1杯の原液に、同じキャップ19杯の水で薄めます。比率ですので、大きさが同じであれば、何でも結構です。この水溶液は、キャップ付きの容器に入れて、強く蓋をしたとしても、1週間程度しか濃度がもちません。必要に応じて作成してください。
- 次に1.5Lの50ppmの溶液を作成します。1.5Lのペットボトルであれば、この容器に3,000ppm水溶液25mLを入れ、水を加えて1.5Lにすれば50ppmになります。この水溶液は、そのままの状態でも濃度が自然に薄まってしましますので、作成した当日に使い切った方がよいでしょう。
更新日:2020年1月1日
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